仙台判決速報

薬害肝炎訴訟は、東京、大阪、福岡、名古屋そして、仙台の全国5地裁において提訴し、先行する4つの地裁はいずれも国および製薬企業の責任を断罪してきました。

そして、平成19年9月7日、仙台地方裁判所は5度目の判決として、仙台訴訟第一次原告4名中、1名のみの製薬企業の責任を認めたものの、国の責任を否定する判決を下しました(認容額1100万円)。

薬害肝炎全国原告団および弁護団は、この仙台判決を、薬害被害者に対する国の加害責任を否定した、極めて不当な内容であると評価します。

すなわち、これまでの4地裁判決は,血液製剤による肝炎感染被害という本件薬害の本質に対する洞察に基づいて,国の法的責任を認めてきました。

大阪地裁判決は,承認当時から薬務行政の杜撰さを指摘した上で,集団感染発覚後の国の責任を断罪しました。

福岡地裁判決は,大阪判決同様,杜撰な薬事行政が継続していたことを受け止め,1977年の米国FDA承認取消以降の国の法的責任を認めました。

東京地裁判決は,本件薬害が,広範な適応外使用の放置により拡大したとの認識のもとに,1987年,1988年の国の警告義務違反を認めました。

名古屋地裁判決は,肝炎感染の危険性を極めて重視し,フィブリノゲン製剤のみならず,第IX因子製剤についても,1970年代後半以降の国の責任を認めました。

これに対し,仙台判決は,旧厚生省が行ってきた薬務行政に対する批判的考察を行わず,血液製剤による肝炎感染被害拡大という本件薬害の本質に対する洞察を欠いたまま,有効性を過大視し,危険性を矮小化し,国の責任を否定しています。
これまでの薬害肝炎4地裁判決が認めてきた国の加害責任は,かかる杜撰な不当判決によって,何ら揺るがされるものではありません。

薬害肝炎全国原告団および弁護団は,4判決が積み重ねてきた国の加害責任に基づき,国及び製薬企業に対し,本件被害に対する全面解決を引き続き求めていく所存です。

平成19年9月7日
薬害肝炎全国原告団
薬害肝炎全国弁護団